お知らせ・レポート

News and Report

2026/8/9

まちが、子どもの学び舎になる日。——「まちなか教育EXPO」開催予告


催し名:まちなか教育EXPO in なにわ Art Ed.

開催日:2026年10月17日(土)

会場:應典院


墨をすると、真っ黒なインクができる。それを筆だけでなく、いろいろな「モノ」につけて、真っ白な紙にぺたぺたと写してみる。まっさらだった紙が、その子だけの模様に変わっていく——。この秋、應典院の境内には、そんな時間がいくつも生まれる予定です。

2026年10月17日、天王寺・下寺町のお寺、應典院で「まちなか教育EXPO in なにわ Art Ed.」が開催されます。本堂がステージになり、境内には墨遊びや、太陽の光で像を焼き付ける日光写真など、手と身体を動かすワークショップが並びます。入場は無料で、どなたでも参加できます。

このEXPOが大切にしているのは、「正解」のない学びです。うまく描けたかどうかではなく、墨の匂いに驚いたり、納得がいくまで試したり、途中で寄り道をしたり。そういう時間こそが、子どもの中に「もっと知りたい」「またやってみたい」という気持ちを育てていく。会場の体験は、安心できること、ワクワクすること、また冒険に出たくなる居場所があることを大切に設計されているといいます。

会場でおもしろいのは、体験に使うのが円ではなく「テラ」という会場だけの金券であること(1テラ=100円)。子どもたちは手の中のテラを見つめながら、どの体験に使おうかと考えることになります。あれもいいな、でもこっちも気になるな。その小さな迷いも、きっと学びのひとつです。

ところで、なぜお寺で学びの祭典なのでしょう。実は下寺町のあたりは、江戸時代、寺子屋がたくさんあった土地です。寺子屋は、勉強を教わるだけの場所ではありませんでした。子どもも大人も集まって、教え合い、学び合う、まちのみんなの居場所。学びが学校の中に囲われる前の、「まちで子どもを育てる」文化の記憶が、この土地には残っています。まち全体を学び場にしようというこのEXPOは、その記憶を現代によみがえらせる試みでもあります。

そして会場の一角には、パドマ幼稚園の「アート祭」で生まれた子どもたちの作品も展示される予定です。園のなかで、夢中になって描いたりつくったりした表現が、お寺の境内へ、まちの人たちの目の前へと旅をする。わが子の作品を見つけて足を止める家族がいて、知らない子の絵に思わず笑顔になる大人がいる。子どもの体験が家庭の語らいになり、家庭のあたたかさがまちへ広がっていく——境内のその風景は、循環の始まりなのだと思います。

子どもと一緒でも、そうでなくても、ふらりと立ち寄れる一日です。この秋は、まちをまるごと学び舎にして、遊びに出かけてみませんか。


本イベントは一般社団法人日本寺子屋協会の主催、應典院の共催、パドマ幼稚園の協力により開催されます。プログラムの詳細や最新情報は、主催者の公式サイトをご覧ください。

https://terakoya-kyoiku.or.jp/