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2026/8/9

お寺がまるごと、こどもの劇場になる日——シアトリカル・キッズ・ミート・アート2026


催し名:シアトリカル・キッズ・ミート・アート2026 〜こどもが主役の「劇場」をつくろう!〜
開催日:2026年10月11日(日)10時〜18時
会場:浄土宗應典院


「Showcase」という言葉があります。海外の演劇・芸術文化活動で、完成形を見せるよりも「過程」を大事に見てもらうために使われる言葉なのだそうです。10月11日、應典院で開かれる「シアトリカル・キッズ・ミート・アート2026」の中心に据えられているのは、このShowcaseです。5月から10回あまりの時間をかけて、設定もセリフもこどもたち自身が考えてきた即興演劇。その発表が、うまく仕上がった舞台のお披露目としてではなく、つくってきた時間そのものの分かち合いとして構想されている——ここに、この催しの性格がよく表れているように思います。

演劇には本来、正解がありません。声で表現しても、手話や身体で表現してもいい。この日の午前に行われる、ろう者と聴者のこどもたちの協働ワークショップは、そのことを端的に示しています。「聞こえる/聞こえない」という区別を越えて、声に依存しない表現から新しい世界を立ち上げる。評価や優劣のためではなく、一人ひとりの感性がそのまま表現になることを支える営みは、幼児教育の現場が長年大切にしてきた考え方と地続きにあります。

もうひとつ注目したいのは、この日の劇場が「観る人」と「つくる人」に分かれていないことです。劇中の音楽を考える子、舞台を彩る美術や小道具をつくる子、ロビーで喫茶や野菜の販売を担う子。それぞれの持ち場でつくられたものは最後に本堂へ持ち寄られ、ひとつの舞台に合流します。役割の大小ではなく、すべてのこどもが自分の場所で「主役」になる。劇場という言葉が、上演の場ではなく、参加のかたちを指す言葉として使われているのです。

そして夕方、大切にされてきた人形やぬいぐるみに四十九日目のお別れをする「人形の49日法要」が営まれます。表現の喜びに満ちた一日が、モノとの別れを弔う時間で締めくくられる。生きることの明るさと、別れの静けさが同じ屋根の下に同居するのは、劇場になったのがお寺だからでしょう。かつて寺子屋がそうであったように、お寺が人々の集い、教え合い、学び合う開かれた場になる——天王寺の土地に流れてきた学びの文化が、こどもの劇場というかたちで、いまも続いていることを感じさせます。

こどもが園や家庭で育んできた表現が、地域に開かれた場で分かち合われる一日。その過程に、ぜひ立ち会ってみてください。


本イベントは浄土宗應典院の主催、学校法人蓮光学園 パドマ幼稚園・パドマエデュケーションセンターの共催で開催されます。プログラムの詳細とお申込みは、以下をご覧ください。
https://outenin.com